税理士業務を再委託する方法

2024.7.24
税理士業務を再委託する方法

税理士パートナーは、パートナーとなる新規開業税理士をご紹介するサービスです。税理士パートナーでは、新規開業税理士に業務を依頼する方法として、大きく二つの方法があります。それは、税理士業務を再委託する方法と後継者となるパートナーに業務を引き継ぐ方法です。ここでは、税理士業務を再委託する方法について解説します。

再委託するべき税理士業務とは

再委託する顧客

新規開業税理士にどのような顧客を再委託しているのでしょうか。以下のグラフ(2024年4月 マッチング121件を調査)にあるように 「年商3億円以下の中小企業・小規模事業者」81.0%、「年商10億円以上の中規模以上の企業 」9.9% 、「相続等の個人」9.1%となっており、大半が小規模の法人や個人事業主の顧客対応を新規開業税理士に再委託しています。

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再委託する仕事の業務内容

新規開業税理士には、どのような業務を再委託しているのでしょうか。以下のグラフ(2024年4月 マッチング121件を調査)にあるように 「顧問先業務全般(顧客対応、申告書作成等)」61.2%、「確定申告業務、法人決算業務」20.7%、 「相続業務」8.3%、「記帳業務」4.1%、「その他専門業務(医療、SPC業務、英語対応等)」5.8%となっており、大半が小規模の法人や個人事業主の確定申告や決算申告等の顧客対応を新規開業税理士に再委託しています。

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再委託する仕事の業務量

新規開業税理士に最初に依頼する業務量は、どの程度でしょうか。以下のグラフ(2024年4月 マッチング121件を調査)にあるように 「月5日以内」82.6%、「月6日以上」17.4%となっており、大半が月あたり5日以内で完了する業務を再委託しています。

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再委託するべき税理士業務とは

何を再委託しようかと検討されているのであれば、まずは、現在対応できていない(できなくなる)業務を整理しましょう。とくにリソースが割かれている業務の絞り込みを行い、その中で税理士資格が必要となる業務を再委託するべきです。短期的な再委託であれば業務の一部を委託し、長期的に再委託したいとお考えであれば、既存顧客は現在のリソースで対応して、新規客の対応を新規開業税理士に再委託するという方法もあります。新規開業税理士もどれだけ再委託を引き受けられるかは、一人ひとり違います。実際にお会いしてみてどのように再委託するべきか新規開業税理士に直接相談することもおススメです。

再委託した場合の報酬

顧客からの報酬を案分

顧客から受け取る報酬を新規開業税理士と案分する方法です。再委託する業務量や業務範囲に応じた割合で案分します。顧問先業務のほとんどを依頼した場合70%の再委託料、業務の一部を再委託する場合は折半するといった方法です。どの程度の割合が良いかは、新規開業税理士の経験やスキルに応じて変わりますので、直接相談したうえで最終的に決定しましょう。

実働時間・日単位での報酬

新規開業税理士が実際に業務をした時間・日単位で報酬額を決める方法です。英語対応等の専門的な業務の場合に、実働時間・日単位での報酬にされる方が多いです。新規開業税理士側から希望として提示されることもあります。

新規開業税理士によっても報酬は変わる!?

再委託する場合の報酬には、業務内容、業務量に応じて全く異なるため、平均や相場といったものはありません。税理士パートナーでのマッチングしたなかでは、委託料については、時給や日給ではなく、顧問先から頂く報酬から業務割合に応じて案分する方法で契約される方が多いです。とくに、報酬を受け取る側の新規開業税理士によっても、報酬が大きく変わります。傾向としては、会計事務所に長年勤務されている新規開業税理士であれば、顧客に対する報酬の相場観が分かっているためか、案分割合を多く請求することがあり、会計事務所に勤務経験が少ない(公認会計士や税務署出身)の方は、勉強ということで割り切って低価格で再委託を受けることがあります。

再委託の契約方法

顧客との契約書

税理士は委任契約となるため、「委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるとき」でなければ再委託できないとされています。(2020年民法改正で、明文化されました。民法644条の2第1項)顧客との契約書には、再委託の承諾の条文が必要となります。

再委託承諾書

顧客から再委託を承諾を得るための契約書です。

業務委託契約書

新規開業税理士に再委託する際の契約書です。新規開業税理士と締結する業務委託契約書には、再々委託を防止するためにも委託業務を第三者に再委託することはできない旨の条文が必要となります。

税理士パートナーでできること

新規開業税理士に業務を再委託する際には、「顧客との契約書」「再委託承諾書」「業務委託契約書」の3つの契約書が必要です。税理士パートナーにお問い合わせいただければ、契約書の例(ひな形)をお渡しすることも可能です。他の税理士事務所様の事例や、新規開業税理士との契約方法についてなどご案内させていただきます。お気軽にお問い合わせください。