税理士が税理士に外注する時の最適な役割分担と守備範囲
目次
税理士業界で「外注」が注目される背景
近年、税理士業界では「人が足りない」「採用できない」という声が急増しています。
- 職員が定着しない
- 繁忙期だけ業務量が爆発する
- 所長税理士が現場に出続けて疲弊している
こうした状況の中で注目されているのが、税理士が税理士に外注するという選択肢です。
税理士が人手不足に陥りやすい理由
税理士事務所が慢性的な人手不足に陥る理由は明確です。
- 有資格者の採用が難しい
- 教育コストが高い
- 繁忙期と閑散期の差が激しい
結果として、
「仕事はあるのに回らない」
「断らざるを得ない案件が増える」
という悪循環に陥ります。
税理士が税理士に外注するという選択肢
こうした課題の解決策として、税理士が税理士に業務を外注するケースが増えています。
- 繁忙期だけ業務を分ける
- 特定分野だけ外注する
- 一時的にリソースを補う
これは「逃げ」ではなく、事務所を持続させるための経営判断です。
外注で失敗する税理士事務所の共通点
一方で、外注に失敗するケースも少なくありません。
その多くに共通しているのが、業務を丸投げしてしまうことです。
- どこまでを外注するか決めていない
- 責任の所在が曖昧
- 報酬配分が感覚的
これでは、遅かれ早かれトラブルになります。
最適な役割分担は「人手不足の箇所」で決まる
税理士の外注で最も重要なのは、どこの業務が不足しているかを正確に把握することです。
例えば、
- 記帳・入力が追いつかない
- 決算書作成がボトルネック
- 顧問先の相談に対応できない
- 申告書チェックに時間がかかる
- 所長しかできない業務が多すぎる
この「詰まっている部分」だけを切り出して外注するのが、最適な役割分担です。
外注すべき業務・内製すべき業務の考え方
税理士が外注を考える際は、次の視点で業務を整理すると失敗しにくくなります。
外注に向いている業務
- 記帳代行
- 決算書の作成補助
- 申告書の作成業務
- 定型的な税務処理
自事務所で対応すべき業務
- 顧問先との打ち合わせ
- 経営相談
- 報酬交渉
- 最終責任を負う判断
顧問先との接点は自事務所が持つ、これが外注成功の基本です。
業務を丸投げすると起こるトラブルとは
業務を丸投げすると、次のような問題が起こりがちです。
- 顧問先との関係が希薄になる
- どちらが主体かわからなくなる
- クレーム時の対応で揉める
最終的に、「この仕事、誰の顧客なのか?」という根本的な対立に発展することもあります。
報酬分担で不公平感が生まれる理由
税理士同士の外注で最も多いトラブルが、報酬分担の不公平感です。
- 外注側は「手間が多い」と感じる
- 発注側は「顧客対応は自分がしている」と感じる
これは、業務範囲が曖昧なまま外注していることが原因です。
外注時に明確にすべき「守備範囲」
外注を成功させるためには、自事務所で対応する守備範囲を明確にすることが不可欠です。
最低限、次の点は決めておくべきです。
- 顧問先との連絡窓口は誰か
- 最終チェックは誰が行うか
- 税務判断の責任は誰が持つか
- 外注先が直接顧問先とやり取りするか
この線引きがあることで、報酬分担も合理的に説明できます。
税理士同士の外注を成功させるポイント
税理士の外注を成功させるポイントはシンプルです。
- 不足部分だけを外注する
- 業務を分割して任せる
- 丸投げしない
- 責任と役割を明文化する
- 責任と役割を明文化する
「人手が足りないから全部任せる」ではなく、「足りない部分だけ補う」という発想が重要です。
外注を前提にした事務所運営の考え方
これからの税理士事務所経営では、外注を前提とした体制づくりが重要になります。
- 自事務所は顧問先対応と判断業務に集中
- 作業系業務は外注で調整
- 固定費を増やさずにキャパを拡張
これは、人手不足時代における非常に合理的な経営戦略です。
まとめ|税理士の外注は「分割」と「線引き」がすべて
最後に結論です。
- 税理士の外注は有効な人手不足対策
- 最適な役割分担は不足業務によって異なる
- 丸投げはトラブルの元
- 守備範囲を明確にすることが成功の鍵
税理士が税理士に外注することは、もはや特別なことではありません。
正しく分割し、正しく線を引く。
それができれば、外注は事務所を成長させる強力な武器になります。
