税理士で独立して後悔する人の特徴とは

2026.8.24
税理士で独立して後悔する人の特徴とは

勤務税理士は、報酬設定や働き方を自由に選択することができる方法として、独立開業に魅力を感じることが多いでしょう。しかし、独立開業をすることが、全ての税理士資格を持つ人にとって、得策であるとは限りません。
今回は、税理士で独立して後悔する人の特徴を、ご紹介いたします。

独立での後悔とは

勤務税理士が独立開業をしたことによる後悔には、想定よりも独立開業後の資金繰りが上手くいかずに、金銭面で生活が苦しくなってしまうことや、従業員から経営者になることで責任の発生や働き方の改革が求められ、精神面で辛くなってしまうことによるものがあります。 このような事態に陥りやすい人は、どのような特徴があるのでしょうか。

営業が苦手な人

独立開業後の金銭面を支えるのは、顧客からの税理士報酬です。勤務税理士は勤めていた会計事務所が獲得をした仕事をこなすことで、給料や報酬は発生していましたが、独立をすると仕事を獲得することも、業務として発生をします。
仕事の獲得は、税理士事務所の看板を掲げているだけでは、十分な税理報酬を得られるほどの集客には繋がりません。税理士自らの営業が必要となります。
よって、営業を煩わしく感じてしまい、会計処理業務に集中したいと感じる人は、独立開業後に資金面で後悔をする可能性が高くなります。
また、営業を厭わない場合でも、対面でのコミュニケーションに苦手意識を持つ人は、営業が不十分になり、同様に後悔をする可能性が高くなります。
営業には、様々な方法があります。ホームページやダイレクトメール、税理士紹介プラットフォームを利用する等の対面を要さないものや、飛び込み営業やテレアポ営業、勉強会やセミナーでの営業、人脈を利用した紹介等の対面を要するものがあります。
仕事の新規獲得を継続的に行い、顧客からの報酬を上げ続けていくためには、複数の営業方法を実施していく必要があります。対面でのコミュニケーションに苦手意識があり、対面を必要としない営業方法に絞ってしまうと、得られる報酬にも限りがあります。
多くの報酬を得るための仕事の獲得には、税理士自らの営業、また対面でのコミュニケーションを要する営業方法を選択することが必要です。

二番手の立場を好む人

リーダーよりも副リーダー、社長よりも秘書、といったように、組織のトップに立つことよりも、トップの補助をすることを得意とする人がいます。
トップはその組織の責任を対外的に持つ必要があり、組織を維持するには組織を動かす決断力や、組織のメンバーを率いるカリスマ性等の資質を持つ必要があります。0から1を生み出すことが得意な人、ともいえるでしょう。
一方で、トップであることよりもトップの補助をすることの方が得意な人もいます。これは資質の問題であり、どちらが優れた人かというものではありません。この補助をすることの方が得意な人は、1から2に増やすことが得意な人、ともいえるでしょう。
独立開業後は、自らがトップとなる必要があります。勤務税理士として会計事務所として評価を得ていても、それはトップとして評価をされていたものではありません。補助者、二番手以降としての評価です。
誰かの補助をする立場、二番手としての立場を好む人、資質として向いている人は、独立開業後にトップとして経営をしていくことについて、後悔をする可能性が高くなります。

職人気質すぎる人

税理士は会計業務のスペシャリストであり職人であるともいえますが、あまりにも職人気質が行き過ぎてしまっている人もいます。
例えば土地の評価について知識が豊富で、その人に評価額の算定を任せれば間違いが無い、一方でその専門的な知識の追求に没頭をして、他の会計業務や事務所運営に関しては全く興味が無い税理士がいたとします。 この税理士は他の会計業務や事務所運営に興味が無く、法人税の申告書の作成を苦手としていても、土地の評価を日々要するような相続税の専門部署に配属する等、会計事務所の組織の中で適材適所な部門に所属をすることで、活躍をして評価を受けることができます。
しかし、独立開業をこの税理士がしようとする場合、相続税だけを取り扱うという事務所にしない限り、苦手としている法人税の申告書作成は必須業務です。また、興味関心の無かった他の会計業務や事務所運営も自身で行う必要があります。
このように、特定の業務や税法に没頭をしたいと考える職人気質すぎる人は、他の会計業務や事務所運営を煩わしく感じやすく、独立開業後に後悔をする可能性が高くなります。

ひとりでの仕事が苦手な人

独立開業の魅力のひとつに、誰にも縛られずに仕事ができることが挙げられますが、その誰にも縛られないひとりの環境には適応ができる人とできない人がいます。
会計事務所で勤務税理士として組織の中で働くことは、上司の代表税理士の意向に合わせる必要や、部下を指示する等の人間関係の負担がある一方で、組織の中の役割として評価を得ていたり、上司の意向を聞くことで自身に無い見識を学んだり、部下を指示することで自身の知識を再確認する機会となったり、上下の人間関係があるからこそ得られるものがあります。
上下の関係性から生じるもののみならず、複数の人と働くことで、自身が見落としていた税制改正の情報を得たり、自身の担当をしていない業種の情報を得たり、自身の業務負担が突発的に大きくなった場合に手助けしてくれる人がいる等、組織の中で働くメリットはたくさんあります。
これらのメリットが得られなくても、自身で必要な情報を得られる人、業務を完結することができる人が、ひとりの環境に適応ができる人です。
会計事務所の業務は淡々と個々に従事するものが多く、ひとりの環境でも大差ないと考える人がいますが、意外とひとりになると、業務の分担ができないこと、他者から知識が得られないこと、休憩時間に雑談をする相手がいないこと等に孤独を感じることがあります。
ひとりでの仕事が苦手な人は、独立開業後に後悔をする可能性が高くなります。

まとめ

税理士で独立して後悔する人の特徴とは、上記のような性質をもつ人です。このような性質がある人は、勤務税理士の方が活躍し、評価を受け、高い報酬を得られる可能性があります。
自身の名前を全面に出す独立開業は、自己顕示欲を大いに満たしますが、全ての税理士に向いているものではありません。向いている方法で仕事をしていくことが、金銭面や精神面が満たされる近道です。
独立開業を考える際に、ぜひご参考になさってください。