税理士のパートナー募集で長続き
する相手を見極めるポイント

2026.7.17
税理士のパートナー募集で長続きする相手を見極めるポイント

税理士のパートナーは強力な味方になり得る可能性が高いものの、そのパートナーが長続きしなければ、経営は不安定になり、事務所の顧客からの信頼を失う一因になりかねません。
今回は、長続きするパートナーを見極めるための、パートナーに相応しい要素を、3つご紹介をいたします。

長続きするパートナー選びの重要性

独立開業や事務所経営において、共同経営者や主要な外注者、従業員となる税理士のパートナー選びは、事務所の命運を分ける非常に重要な決断です。
安定的な経営を行い、顧客からの信頼を持ち続けるためには、そのパートナーと長期的に良好な関係を維持することは大切です。

税務知識が豊富である、会計処理が速い等の優れた能力だけでは、長続きするという視点からでは、パートナーとして相応しいかの判断が出来ません。
長続きするパートナーとは、どのような要素をもつ人のことをいうのでしょうか、3つのポイントに分けてご紹介をいたします。

価値観の一致(ポイント1)

長続きするパートナーに必要な要素の1つめは、自身との価値観の一致です。税理士をパートナーとして選ぶ際の、その相手の税理士も、自身と同じように信念や志を持ってその資格を獲得した人ばかりです。
労働条件が一致し、その後特段の退職理由が無いため長年勤務している、というようなベテラン無資格従業員になる人とは、仕事への向き合い方が異なることが多いです。

更に価値観が異なった場合には、税理士資格を有していることで、次のパートナーや就職先を見つけやすいことから、ベテランの無資格従業員よりも、離れていきやすいです。信念や志のある税理士との価値観の一致は、長く良好な関係を維持するために必要なことです。

具体的には、下記のような点において、価値観が一致ないし近い税理士の方が、そうでない税理士よりも、長く良好関係を維持することができるでしょう。

①事務所の方向性

  • 顧客や従業員を増やして事務所を数多く持つ事務所の拡大を志向しているのか、又は顧客や従業員は目の届く範囲に収めて質の高いサービスを提供する少数精鋭を志向しているのか
  • 特定の業界や税目に対応することを売りにした専門性の高い事務所を目指すのか、又は広く対応を行い税のなんでも屋として凡庸性の高い事務所を目指すのか
  • 顧客のターゲットを富裕層に絞り、高単価で難易度の高いサービスを提供していくのか、又は顧客のターゲットを絞らず、低単価で多くの顧客を得て効率的にサービスを提供していくのか

②ワークライフバランス

  • 仕事にできるだけ多くの時間を費やし、顧客から指示されることを美徳とするのか、又は仕事の時間とその他の時間は明確に区分して、その両立をすることを美徳とするのか
  • 収入を得ることが人生において最も大切なのか、又はその他のことを達成することが人生において最も大切なのか

互いに尊敬のできる関係性(ポイント2)

長続きするパートナーに必要な要素の2つめは、互いに尊敬のできる関係性で居続けられることです。
どちらかが相手を格下だと捉えてしまうと、業務内容に信頼がおけなくなったり、話し方が見下した表現になってしまったりと、関係性が崩れてしまう可能性があります。

互いに尊敬のできる関係性で居続けるためには、似たような強みを持つ税理士よりも、互いに弱みを補完することができる、異なる強みを持つ税理士をパートナーに選ぶことが有効です。
似たような強みを持つ税理士同士では、無意識にその強みに対してどちらがより深い知識を持っているか、より良いサービスを提供できるか等、比較をしてしまいがちです。その比較によって生まれる悪い感情が、関係性を悪化させることがあります。

違う強みを持つ税理士同士では、互いに比べる対象になりません。同じ土俵に立っていないため、争いが起きにくいということです。
パートナーと師弟関係にあることで、長続きをしている会計事務所もあります。これは互いに尊敬しているとは言い難いですが、同じように師匠と弟子では同じ土俵に立っていないため争いがおきず、長期的に良好な関係を維持することができていると考えられます。
また、強みが違うことは争いが起きにくいだけでなく、役割分担がしやすくなり、事務所運営が円滑に進みます。

得意な税目が異なれば、顧客の依頼内容をその税目によって振り分けることができたり、顧客対応が得意な税理士が所外で営業を行い、黙々と作業をすることが得意な税理士が会計処理を所内で行うといった業務の振り分けができたりと、強みと弱みが互いに違うことで、補完しあうことができます。
互いに尊敬のできる、違う強みをもつ税理士の方が、そうでない税理士よりも、長く良好関係を維持することができるでしょう。

問題が発生した際の姿勢(ポイント3)

長続きするパートナーに必要な要素の3つめは、問題が発生した際の姿勢が適切であることです。
申告内容の間違いや税務調査による顧客とのトラブル、事務所の売上の低迷等、問題が発生する可能性は、常に存在します。

問題が発生した際、例えば申告内容の間違いが発生して顧客とのトラブルが生じた際に、他責にしてそのトラブルに向き合わない、事務所の売上が低迷した際に、向上のための行動を起こさない等、当事者意識の欠けるパートナーとは、長続きがしにくいです。

当事者意識を持っていても、意見が対立した際に論理的に話し合いをすることができない、失敗を隠蔽してしまう等の対応力に欠けることがあると、良好な関係性を維持することは難しくなります。
問題が発生した時の姿勢が適切である税理士の方が、そうでない税理士よりも、長く良好関係を維持することができるでしょう。

まとめ

長続きするパートナーの要素を、3つご紹介をいたしました。これらの要素について、業務提携及び採用時には、見抜きにくいことも多いでしょう。
業務提携及び採用時に全てを把握することは難しいですが、仕事についての考え方や、前職中に問題が発生した際にどのような対応を行ったか等、就職面接のように質問を複数することが、ミスマッチを防ぐために有効です。

また、長く良好な関係を築けるかの判断期間として、スポット案件の共同作業をしてから、パートナーとしての本契約に進むことも得策です。
是非、パートナー募集を考える際のご参考になさってください。